目は口ほどにものを言う

今回はインスタを見てご来店いただいた50代のご夫婦の紹介です。ご自宅は車で20分?くらいかな? 大阪のハズレとはいえ一応大阪市。ご自宅から当店までには商店街もメガネ屋も多くありますが、わざわざご来店いただきました。感謝です。

目的はテニス用の調光レンズメガネをご要望でした。お二人ともソフトテニスが趣味です。

先ずは奥様。弱~中度の近視で今までもコンタクトと遠近両用メガネを併用されていました。老眼もあるし、そろそろコンタクトや止めようかともお考えのようで、メガネでテニスをするなら調光の方が良いかとのこと。3~5年前に作られた遠近両用メガネは案の定、過矯正高加入遠近でした。近視は老眼世代になると弱くなるので過矯正は珍しくないですが今回のはかなり過矯正、つまり近視の度数がキツいです。まあその方がお客様自身も遠くが良く見えるのでいいのかもしれませんが、その分手元が見にくくなるため年齢に対して高加入の近用度数になります。このメガネは遠くは良く見えるけど、近くは何となく見えない。見えるような見えないような。そんなメガネになりますが、近視の場合メガネを外せば近くが見えるのでそれで対応していたようです。

今回は遠方視力は両眼で1.2あり、かつ手元も見やすい遠近になりますので使い勝手は格段に向上するはずです。

問題はご主人です。

奥様とは逆のありがちな話ですが、老眼になるまでは視力自慢。何でもスッキリ見えていたのですが、老眼になって3~4年前に遠近両用を購入。慣れるまでは大変な苦労をされたそうですが、今はかけられるようになりましたが、実はあまりかけていません・・・これ後にとっても重要な話になります。テニスをするときもかけた方がボールもしっかり見えて良いのですが、かけ始めから数分間は眼の奥がじーんとなる感じがしてどうにも辛い。しばらくすると慣れるのでそこからは普通にかけられるそうですが、かけ始めの違和感が嫌なので近くを見る時以外はかけないそうです。

お仕事は機械作製。半導体を作る機械を作っています。毎日制御盤やパソコンとのにらめっこなので、仕事の時は遠近両用をかけていないと仕事にならないのでかけっぱなしだそうです。

当店の視力測定は近視、遠視や老眼などを測定した後、両眼で物を見るのが得意かどうかまでを測定します。その結果ご主人は近くを見るのがと~っても苦手なのが分かりました。

「近くを見続けるの苦手でしょ~」の質問に「分かる?そうなんよ」と答えられ、ソフトテニスの前衛を守っているときにボレー(ネット際でノーバウンドでボールを打ち返すこと)が苦手のはず。おそらくフォームや打ち方も型通りに打ちたい。瞬発的な判断ができにくい・・・眼を測定しただけでそんなのが分かるのか?と思われるでしょうが、分かるんです。まあ絶対とは言えませんし、僕の質問に「そんなことないよ」と言われるときもたまにはありますが(^_^;) でも今回の場合はほぼ間違いないです。

もうね、眼がガチガチ。

遠くしか見たくない眼です。実はその遠くにも問題があるのですが、近くを見るよりはマシなので遠くしか見たくない状況になっています。

向かって左が奥様、右がご主人様の遠近両用調光レンズメガネ

これを解決する策はあるにはありますが、まずは今回作るメガネをお風呂と寝る以外はかけ続けられるようになることが先決です。今回のメガネもかけ始めはじーんとするかもしれませんが、それに慣れていただくしか解決方法がありません。お仕事がほぼ近方視。老眼世代としてはまだ若い方なので今はまだ多少の無理が利きますが、3年後はもっと辛くなるのは明らかです。そのためにもまずはこのメガネに慣れて下さいとくどいほどに説明しました。

初めて補聴器を購入された方にもよく言うのですが、辛くなったら外していただいても結構です。ただし、次の日も必ず装用して下さい。毎日装用することによって少しずつですが慣れてきますので段々と装用している時間が長くなるはず。そして最終的にはメガネがないとぼやける眼になればしめたものです。

見えなくなる方が良い??ちょっと変な話かと思われるかもしれませんがそうなんです。言い忘れてましたが、ご主人は遠視です。遠視の方は以前のブログにも書きましたが、常に眼が仕事をして物を見るクセが付いています。メガネに慣れてくるとその仕事をするクセがなくなります。クセがなくなるとメガネなしではぼやけて見えるようになります。つまり遠くを見るときに眼が仕事をしない状態になったー眼が楽を覚えたーのです。

ここで初めて次のステップ。ガチガチの眼で手元を見やすくするメガネがかけられるようになります。ちなみに「遠視」と「眼がガチガチ」は全く別の話です。正視や近視の方でもガチガチの眼の方はいます。

ちょっと突拍子もないことを書きますが、僕は以前から阪神のサトテルこと佐藤輝明選手の眼を測りたいと言っています。佐藤選手の眼はおそらく今回のご主人と同じタイプ。だからボールが追えない。同じボールを空振りするのではと思っています。これは練習だけでは直りません。物の見方そのものを変えないと直らないと僕個人的には思っています。

今回のご主人の場合も最終形のメガネはまだもう少し先になりますが、きっとテニスのプレースタイルも向上するのではと密かに期待しています(^^)

今回のご夫婦は眼に関しては全く正反対。奥様は近視で眼の動きが大変良く、集中力があり、頭の切り替えが早い。おそらく物事をてきぱきとこなす方。ご主人は遠視で眼の動きは悪い。細かいところに気がつきますが、長時間の近業作業はできない。たまに投げやりになるときもある??眼の動きを調べるだけでこんな事が分かっちゃいます(^^)

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