昨日と同じタイプの眼の方ですが全く違うタイプのメガネ
たまたま偶然ですが、昨日ブログにアップした方と同じタイプの眼、つまり左右の度数差が2D以上ある方が続きました。昨日のYさまは両眼を遠用視力が得られる度数にすると怖くてかけられなかったので、対応策としてモノビジョン(片眼遠方、片眼近方)メガネにして使い勝手の良いメガネにしました。とは言うものの常に片眼でしか見ていないので距離感などは得にくいメガネになっています。
今回のMさま。60代女性です。この方は遠視ですが左右差の度数が大きく、注意しなければいけない範囲です。ですがMさまは両眼とも遠くが見える度数にしても違和感を訴えません。その代わり?左右眼が上下方向に少しずれているようで、ふと気を抜くとモノが上下にふたつ見えてしまう眼です。これは上下のズレを矯正するプリズムレンズを入れることによって解決します。
ところがです。じつは別の問題があります。眼を上下に動かしたときに右目と左目の上下する量が変わるのです。たとえば水平方向から上に60°上方を見たときに右は60°上がるけど左目は57~58°しか上がらず、ダブります。水平の時は上下のズレが生じません。で下方60°を見ると右は60度下がりますが、左目はやっぱり60°に足らないのです。つまり左目の上下の動きが右目に比べて少ない状態です。
もうこれは矯正のしようがありません。メガネにいれるプリズムはレンズの位置によって変化させることができないからです。
詳しく書くとかなり難しいのですが、遠近両用レンズには上下のプリズムが必ず入ってしまいます。これを利用して何とか上下のズレを軽減させるのが精一杯かな。
Mさまは元々宝石のお客様でメガネは他店で購入されていましたが、あるときメガネに対する不満を言われたのでメガネを作らせていただいたらこれまたとても満足されたのでそれ以降はメガネも当店で作っていただいています。
話はそれますが、客観的に考えて、メガネを作ろうと思ったときに兼業店より専門店に行くのは至極当然のことだと思います。兼業店でこんな詳しい視力測定をしているなんて思いませんもんね。僕でもそう思います。なのでMさまもメガネは専門店で購入されていたのです。
店前を見ただけで視力測定が詳しいかどうかは分かりませんもんね~、悔しいけど。
自分で言うのもなんですが、その辺のメガネ専門店より視力測定にはこだわっているつもりです。新規のお客様のほとんどは僕の視力測定でこんなに詳しく調べてもらったことはないと異口同音に言われます。詳しく調べるだけでなく、それをメガネレンズに反映させ少しでも楽なメガネを目指しています。

思いっきり話がそれてしまいましたが、結論Mさまは上下のズレをできるだけ感じさせないような細工をして普通に遠近両用メガネを常用されています。
Mさまは何でもこだわっておられる方で、レンズもニコンの最高級遠近レンズ、シープラウドセンチュリーAIです。このクラスになると装用しているご本人はもはや遠近かどうかも分からないようです。なぜならどこを見ても見えますから。ローエンドになればなるほどぼやける部分が増えて、レンズのどこで見れば見やすいか探す時もあるのですが、このクラスはそれが必要ありません。すばらしいレンズです。しかも今回は調光レンズ~。Mさま、いつもありがとうございます!
同じ不等像視でも対応が全く違いますよね。そうなんです。視力測定の結果不具合の原因が分かったとしてもその対応方法は人それぞれなんです。これが腕の見せ所となります。ええかっこゆ~てますが、もちろん失敗もします。前回も2回作り直してようやくご満足いただけるメガネになった例もあります。でもその失敗も勉強なんです。次に必ず生かせます。なので僕は失敗を恐れません。お客様にも十分説明します。こういう眼なのでこういう処方をします。この方法がベストと思われますが、絶対とは言えません。何かあれば遠慮なく言って下さい。無料でレンズ交換しますからと。