バイフォーカル・レンズってご存じですか?
老眼対策レンズといえば累進レンズ(レンズの場所によって度数が徐々に変わるレンズ=レンズに境目がないレンズ)がもう常識になっていますが、累進レンズが世に出るまではバイフォーカルレンズしかありませんでした。
平成の初期ころから累進レンズは販売はしていましたが、まだまだ性能的に不十分でした。累進レンズを普段から使っている人にはお分かりかと思いますが、累進レンズはレンズ周辺がぼやけます。当時はそのボケ具合が半端なく、明視できる範囲がとても狭かったのです。
バイフォーカルレンズは遠くが見える度数のレンズの下方に近くが見える度数のレンズを組み込んだレンズです。

お分かりでしょうか?レンズの真ん中より下の部分に筋が見えますよね?この筋を境界に度数が変わるのです。
このレンズの最大のメリットはぼやけるところがないと言うことです。このレンズには2つの度数しかありません。遠くが見える度数と近くが見える度数です。近くが見える部分は全てひとつの度数ですから近くの物は全て見えます。レンズ周辺部でもその効果は変わりません。
最大のメリットと書きましたが実はメリットはこの1点だけです(^_^;) 欠点としては
- 遠方と近方の度数しかないためパソコンなどの中間の物は見づらい
- レンズに境目があるために他人が見てもすぐに老眼だとバレる
- レンズレイアウトが微妙であり且つ決定しにくい
そんなことでバイフォーカルレンズの需要は本当に少なくなりました。当店ではいまやお二人だけです。今回はそのうちのお一人のレンズ交換でした。
確かこの方も一度は累進の遠近レンズに変えたと思うのですが、近くの見える範囲が狭い!とのことでまたバイフォーカルに戻した記憶があります。
見かけ(境目が見える)は全く気にされない方ですので、その場合はバイフォーカルの方が便利でしょう。ただしノートパソコンを見る時はちょっと前屈みになるか、ちょっと離してみないとないと見えないと思いますが・・・