白内障の本を読んでみました

何だか話題になっているそうなんで買って読んでみました。いや、正確には読んでいる最中、半分くらいまで読みました。

最先端白内障手術を手がけているそうです。眼内レンズー濁ったレンズを除去した後に入れるレンズーは単焦点でなく多焦点レンズを激押しされてます。角膜を切開するのもナンチャラレーザーで切開するそうです。

以下に書くことはあくまでも、僕個人の考え方、意見です。これを間違っている!なんて思わないで下さいね。こういう意見もあるんや、位のスタンスでお読み下さい。

角膜の切開に関しては僕はよく分かりませんが、眼内レンズのことは多少は知っているつもりです。多焦点レンズは遠、中、近のピントがあるレンズのことでこれを眼内レンズにするとメガネなしで遠くから近くまでが見えるという優れものだそうです。まあ保険適用外ですので費用は2~30万円くらいするそうです。

メガネがどうしても嫌な場合は検討しても良いかもしれませんが・・・

メガネレンズの遠近レンズは累進レンズなので遠~近までを明視できる度数が連続的に存在します。それを目線を動かす事によって見やすいところを探すのです。

一方多焦点レンズは度数分布が連続ではなく分散されています。メガネで言うと昭和の時代の遠近両用でレンズの下の部分に小玉が入っているレンズがありました。コレは小玉は近用、それ以外は遠用となっており、焦点が2つしかないと言うことになります。

HOYAさんのHPより

こんな感じですよ。最近は見なくなりましたね~(^_^;)

そこで白内障手術に使う最新式レンズが遠、中、近の多焦点レンズとなっていますのでおそらくピントが5メートル、2メートル、40センチくらいの度数が入ったレンズになるのかと想像します。度数が連続ではないのでこうなります。しかもメガネレンズと違って目を動かすことでピントが合うところを探すわけにはいかないので同心円状に度数が分布することになります。

結果、見えると言えば見えるけど、どこもスッキリとは見えない。しかも度数は3つなのでそれ以外の距離の見え方がどうなるか・・・

見え方の満足度は人によって違います、だいたい見えればOKと言う人がおられる一方、はっきり見えないとイヤという方もおられます。これはメガネレンズでも分かります。グレードの低い遠近だと見える範囲が狭いのですがそれでOKのかたもおられますが、これじゃあイヤという人もいるのです。

メガネレンズの場合はレンズ交換できますが、眼内レンズとなるとそうはいきません。原則レンズ交換はできません。ですので慎重にした方が良いと思います。

この本に限らず何でも長所ばかりを述べていて短所に関してはほぼ書かれていないことが多い世の中。とはいえネット検索してもその情報が正しいとも限らない。本当にモノの善し悪しの判断が難しい世の中です。

当店は僕たちが実際に使ってみて良いと思うのをオススメする経営方針です。利益はその次です。目先の利益を追っかけると長い目で見てお客様の信頼を損ねる恐れがあります。そうではなくお客様がどれだけ喜んでいただけるか、満足いただけるかの度合いで利益がついてくる。そういう発想です。

この本もこの最新の術式がいかにすばらしいかを説いていますが、短所についてはほぼ書かれていないような気がするのですよね・・・

そうそう、この本の話とは別になりますが白内障手術に関してアドバイスをひとつだけ。あっ、これは術前が近視の方が対象です。

近視の方、術後入れる眼内レンズの度数によってはメガネなしで遠くが見えるようにすることも可能です。僕も近視なのでよ~く分かるのですが、メガネなしで遠くが見えることにあこがれますよね~。なので近視を加味した度数の眼内レンズを入れようかと思う気持ちも分かりますが・・・

それをすると近くを見る時にメガネをかけないと見えなくなります。

術後正視になるわけで。正視の方は45才を過ぎると老眼鏡が要ります。それと同じ事になります。

近視の方は裸眼では遠くはぼやけますが近くはメガネなしではっきり見えます。この便利さを失うことになります。

近視の方は普段メガネをかけて遠くを見ています。で近くを見るときはメガネを外せば見えます。

ところが正視になると普段はメガネをかけない生活になります。で近くを見るときにはごそごそとメガネを取りだしてかける、という動作が必要になります。

それでいいですか?

ゴルフやスポーツが趣味で遠くがメガネなしで見えることに恩恵を受けるのなら話は別ですが、そうで無い限りパソコン、スマホなど今は近くが見えないと生活できないくらいになっています。そんな時にいちいちメガネをかける動作って意外に面倒・・・

なので僕は近視の方には術後もそのままの方が良いよと言っています。強度近視の方は眼内レンズの度数を調整してもらいゆるい近視にしてもらうのです。そうすれば4~50センチのモノがメガネなしではっきり見えるようになります。遠くはメガネが必要になりますが、僕個人の考えとしては絶対こっちの方が便利と思います。

この相談は時々受けるのですが、僕はいつも上記のようにお答えしています。余談の余談ですが、あるお客様が他店のメガネ屋で同じ相談をしたら、そんなことは聞いたことがない。遠くが見えるようにするのが当たり前。近視を治してもらいなさい。って言われたそうです。おいおい、いつの時代の話をしてるのですか?今や眼科の先生でも術前に僕と同じアドバイスをするようになっていますよ。

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