メガネレンズ後面と角膜までの距離

ちょっと小難しいブログタイトルです。

メガネをかけたときのレンズ後面(内側)と黒目の表面、角膜頂点との距離を角膜頂点間距離(以下VDと書きます)と言います。VDが変化すると実はレンズ度数効果が変わります。

VDが広くなるほど

  • 遠視、老眼などの凸レンズの場合は強制効果が大きくなる
  • 近視の凹レンズの場合は矯正効果が小さくなる

VDが狭くなるとこの反対の効果になります。

また遠近や中近レンズの場合はVDが広がるほどユレ・ゆがみが大きくなる傾向になります。

今回のお客様はまさにコレ。

最初に作った中近メガネはとても快適に使っていただいており、調子がいいので調光レンズで同じのを作っていただきました。ただし、選んだフレームが跳ね上げと言ってレンズ部分が上に跳ね上げられるタイプにされました。

そうすると正面視は良いのですが、下方視すると歪んで見える。最初に作ったのは全く問題ないのですが、跳ね上げフレームにしたとたんにこうなりました。跳ね上げフレームはその構造上どうしてもVDが広くなってしまいます。

慣れるかもと思い、半月ほど装用していただいたのですが、やはりダメだったので今回は単焦点レンズに変更しました。

僕がかけていますが、眼とレンズの距離が広いのが分かりますよね。

この辺の判断は難しいところです。VDが変化しても見え方の違いに全く気づかない方も多いです。あっ、一応業界における基準は12ミリです。でも遠近などの累進レンズの場合はできるだけ顔に近づけた方が違和感が少なくなるのでメーカーもそのように言ってます。

今回の場合はやってみないと分からない部分ですので一定期間内であれば無償でレンズ交換いたします。今回の方はとても気遣っていただき一部ご負担していただきましたが、原則無償で交換します。

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