純音聴力測定
補聴器を選定する場合に最も基本になる測定を純音聴力測定といいます。検査結果を表した表をオージオグラムといいます。
上の機械はオージオメーターといい、今回説明する純音測定をはじめ、いろいろな聞こえの測定ができます。
純音聴力測定結果の一例です。横軸が音の高さです。左側が低い音ぶー、ぶーって聞こえる感じ。右側が高い音、ピー、ピーと聞こえる感じの音です。縦軸は音の大きさです。グラフで○が右耳、×が左耳の検査結果です。例えば1000Hzという音の高さでは音を少しずつ大きくしていって45dBの大きさの時にボタンを押したということです。1000Hzの音の高さでは45dBという音の大きさがこの人にとって一番小さい音になります。コの字のマークは骨導測定結果ですが、今回は省略します。この例の場合は左右とも聴力にあまり差はなく、音が高くなるにつれ聴力が悪くなっている。と見ることができます。この人の聴力を数字で表すとおおよそ46dB。いわゆる軽度難聴です。最近では30dBより悪いと補聴器が必要と言われているので、購入を検討してもいい時期かと思います。
一般的に会話の大きさは40~50dB。ちょっと大きくて60dB位になりますので、少し大きめの会話なら聞こえますが、普通の声の大きさであったりささやくような声はほぼ聞こえないでしょう。また環境音でも高い音が聞こえにくいため鳥のさえずりが聞こえなかったり「ふ」と「す」を聞き間違えたりする傾向にあるでしょう。健聴者はこのグラフではほぼ0~10dBラインを水平に移動します。それから比べるとやはり聴力が低いのがおわかりいただけると思います。
残念なことなのですが日本人の場合、今回のような軽度難聴の方が補聴器を検討することは希な方になります。補聴器に対する抵抗は欧米と比べると比ではないくらい大きいです。しかしこのくらいの聴力から補聴器をするととても慣れやすく、その後聴力が悪くなったとしても補聴器の音に慣れているのでスムースに移行できます。
できるだけ補聴器は早めからスタートしましょう。