目の前がくしゃくしゃする・・
3年ほど前にメガネを作って頂いた70代のN夫妻。お子さんはおられませんが、いつも二人で行動されているとても仲の良いご夫婦です。
今回もご夫婦揃って眼鏡の相談にご来店なさいました。
奥様の方。ここ最近テレビを見ていると何だか目の前がくしゃくしゃした感じになり見にくい。テレビじゃないときはそんなに感じないけどこれは何?というご相談です。
前回は眼科の処方箋でメガネを作っているので僕は視力測定をしていません。ということで先ずはさておき視力測定することにしました。
まずは矯正度数を調べます。遠視や乱視、老眼はまあ3年というスパンを考えればごくふつうの進行は見受けられましたが特に問題はなさそうです。次に眼位測定を含めた両眼でモノをどうやって見ているか、の測定をします。当店ではこれはほぼ全員にします。
その結果、左右の眼でズレが生じていることが分かりました。特に上下にズレている。
人間は目をつぶると眼は正面を見ている位置ではなくちょっと動きます。これを安静眼位といいますが、ほとんどの人はちょっと外向きになります。N婦人の場合その外向き量が人よりも多く、しかも上下にもズレていました。
外向きの場合、人は寄り眼ができますので少しくらい外向きであっても特に支障はありませんが、その量が多いと寄り眼もより多くしなければなりませんし、ましてや上下のズレはほぼ自力では無理です。
右目を下げて左目を上げる
できますか?できませんよね(^_^;)
このような場合はプリズムレンズといって光の向きを変えるレンズを使うことによって光の向きを揃えることができます。
試しにプリズムレンズを入れるとそのくしゃくしゃがおさまるのが確認できました。テレビを見るとくしゃくしゃするけど、ふだんはしない。これにはちゃんとした理由があります。最近のテレビは画質がよく専門用語で言うとコントラストが高い。白黒がはっきりしている。中間的なぼやけがすくないです。このような状況下ですと眼は融像(両眼で1つのものを見ること)が外れやすいです。夜空のお月さんが何重にも見えるのも同じ理由です。昼間に出ているお月さんは何重にもならないでしょ?
またお客様によって表現方法が異なることは多いです。今回の場合ダブって見えるのをくしゃくしゃすると表現されていたのですね。僕たちは見え方、聞こえ方の不具合をお客様が独特の表現をされたときに、それは何を意味するのかをいろんな方法で見つけなければなりません。というか、それを見つけるのが仕事といっても良いくらいですね。
解決方法は見つかりましたが、今回はそのくしゃくしゃが最近になって出てきたこと、生活環境や体調の変化も特にない。このようなことを踏まえて完全にズレを矯正するのではなくズレの3~4割をプリズムレンズで補正して様子を見ることにしました。
今回のメガネをご購入後、考えられるのは3通り。
- このままでずっと使えるようになる
- 上下のズレがなくなり逆にこのメガネが辛くなる
- ズレがなくなることはなく、むしろもっと補正した方が良くなる
お客様にもしっかりこの点を説明し、何か不具合があればすぐに来て頂くように説明します。
上下のプリズムはわりと変化しやすいですので慎重にしなければなりません。

奥様はかけ心地も大事になさいます。今回はラインアートを選ばれました。このシリーズはかけ心地はバツグンです(^^)
ありがとうございます!


