補聴器調整の難しさ

チラシを見た奥様が以前より気になっていたご主人の聞こえの相談に来られました。ご本人もまあ補聴器が要るかな??程度に思っておられるのですが、奥様、娘様など周囲の人が困っておられます。

良く見受けられるパターンですね。

その後、ご主人を連れてご来店。補聴器購入を前提に聴力の測定をしました。

純音測定、その人が聞こえる一番小さい「音」がどのくらいかを測定し、それによって難聴の程度が分かります。結果は45~50dBの軽度難聴でした。軽度難聴は一般的にあまり不便を感じないレベルの難聴です。以前、NHKの「あしたが変わるトリセツショー」で軽度難聴を隠れ難聴と表現していましたが、言い得て妙です。このレベルなら周囲の人も補聴器を見当するほどでもないのにな・・・と思っていました。

そこで次の測定語音弁別測定、言葉がどのくらい聞こえているかを音の大きさ別に測定します。その結果のグラフがこれ。

が右、×が左です。この結果を見ると70dB、ちょっと大きめの声なら65~70%の言葉は理解できるけど、それ以上大きくなっても小さくなっても言葉の理解度が下がる結果となりました。

補聴器は「音」を大きくするだけです。ぼやけた「さ」をはっきりした「さ」にはしてくれません。

つまり通常の会話50dBの音だと補聴器なしではほぼ何を言っているか分からないけど、20dB大きくしてやると70dBになるので一番聞き取りやすくなるのです。

逆に言うと70dBの大きさでないと聞き取りがしにくいので、40~70dBの音を全て70dBにしてやらないといけない。まあこれは理論上であって実際には無理な話ですがそれでもできるだけそうなるように調整が必要になります。

また、70dBにできてもその理解度が70%くらいですのでたとえ補聴器をしてもすんなりとは聞き取りしにくいでしょう。周囲の人の注意点としてはゆっくり話をしてあげるようにしないといけません。

今回軽度難聴にもかかわらず周囲の方が補聴器をして欲しいと思われたのはこの言葉の聞き取りが最大で70%しかないことが原因です。難聴の方でも音を大きくすれば理解度は80~90%位になる方は少なくありません。そんな方でしたら音さえ大きくすれば後は自分の耳で言葉の理解ができるので装用効果もはっきり分かりやすいのですが、最高明瞭度が70%ならたとえ軽度難聴でも会話が成立しにくいのですね。

このようなことを補聴器購入前にご本人や家族に伝えることで補聴器に対して過剰な期待をしないし、注意点なんかもご理解頂けるのでとても大事なことです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA