補聴器の耳型採取

補聴器を販売する際にその方の耳型が必要な場合があります。

まず一つ目はオーダーメイド補聴器。耳の穴の中に補聴器を入れるので当然と言えば当然です(^_^) 既製品の耳穴式もあることにはありますが、外れやすくなりますし性能的にもあまり良くないので当店では販売していません。その方オリジナルの形になりますので装着感もぴったりきますし、きちんと装着していれば少々動きが激しくても脱落することはまあありません。

もう一つは耳かけ補聴器でも高出力タイプの補聴器をする場合です。補聴器をされている方が身近におられるとご存じと思いますが、耳の装着している補聴器から「ピー、ピー」と音がする場合があります。これはハウリングと言って耳栓がしっかり止まっていない場合、補聴器から出た音がまた補聴器が拾うことで音のループがおき、その結果「ピー、ピー」っていう不快な音になります。高出力になればなるほどハウリングが起きやすくなるのでそれを防止するためにも耳の穴の形にぴったりと合った耳栓をすることでそれを抑制することができるのです。このオーダーメイド耳栓をイヤモールドと言います。最近歌手の型が耳にはめておられますよね。あんな感じです。

これらの場合に耳型を採取します。厳密に言うとこれは医療行為になるのですが、認定補聴器技能者に関しては特例で認められています。余談ですが、耳垢を他人が取ることも医療行為です。気をつけてくださいね(^_^)

さて、耳型を採取するために最初はスライムのように柔らかく、時間が経つと硬化する印象剤を使用します。歯の型を取るのと同じモノです。

印象剤を入れた直後はこんな感じ。耳の奥には印象剤がそれ以上奥にいかないようにスポンジの耳栓が入っています。青い糸はそのスポンジと繋がっています。

この状態で5~10分待つと固まるので取り出しますが、固まるまでの時間、おしゃべりは厳禁になります。口を開けると耳の穴の形が微妙に変わるので正確な耳型が取れなくなるためです。

硬化した後取り出した状態です。先端についているのがスポンジです。なぜこの方の写真をアップしたかというと、耳穴の曲がり具合がかなり大きいからです。手に持っている下側が耳介、耳の外になります。耳の穴は2カ所曲がっています。外から見て最初のカーブが第1カーブ。その次が第2カーブとなりますが、この方どちらもきついですが特に第2カーブの曲がり方がちょっと大きい。ふつうペンライトで鼓膜を観察する際、耳たぶを少し頭の後ろ側に軽く引っ張れば安易に見えますが、この方結構な力で引っ張らないと見えませんでした。これだけ曲がっていたらそりゃ見えませんね(^^ゞ

あっ、誤解のないように。たとえカーブがきつくてもそれを考慮した上できちんとできあがってきますし、聞こえには影響しませんのでご安心を。脱着の時にちょっとコツが必要になりますが、そう難しくありません。

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