無理した視力1.0 近視編 その1

時計の修理でご来店なさった女性。犬が大好きでこのときにリンと遊んでいただいたのですが、その時にたまたまメガネの話になり、ちょうど悩んでいたのでまた来ます、と言って帰られました。

で、ナンと次の日の朝開店早々にご来店されました!まあこの日がちょうどお休みだったのもあるのですがね(^^ゞ

さて、この方中程度の近視で65才の女性です。メガネが大嫌いで中学時代から視力が落ち始めたのですが、その頃からのコンタクトレンズユーザーです。装用時間もかなりのモノで朝起きてすぐからお風呂もしたままで寝る直前まで装用しておられるようです。ぼやけているのがイヤなのでくっきり見えるまで度数を上げておられる様子。一応緊急用のメガネもお持ちでしたがその度数も過矯正ぎみ。過矯正とはその眼の近視よりも強い度数のことを言います。

ここまで書いてまず言いたいこと。

近視の過矯正は視力向上は見込めますが、それ以外に良い点はひとつもない。むしろ悪い点の方が多い。

です。「見えないと疲れる」これは近視の人にとっては全くの誤解です。近視の場合、眼そのものは見える方が疲れやすく、ぼやけている方がむしろは楽をしています。ただただ「見えないストレス」が疲れると思われているだけです。ブログタイトルの「無視した1.0」は意味がふたつあって近視編と遠視編がありますがこれは近視編です。

確かに過矯正状態にすることによって遠方はとてもよく見えます。スッキリです。ですがこれは眼が仕事をして見ています。

遠くが見えると言うことは近くを見るときは眼はさらに仕事をします。この場合の近くとは手元だけではなく5メートル先から手元までを言います。室内にいるときなどは遠くても3~4メートル。この距離を見るのにはメガネ度数で言うと遠くが見える度数より1~2段階緩い度数で十分です。逆な言い方をすると遠くが見える眼鏡で室内にいるとそれだけ眼が仕事をして見ているのです。

近視の眼は正視に比べ水晶体(グレー部)が分厚いか眼軸(眼球の大きさ)が大きいので平行光線が網膜前方に焦点があるので網膜上はぼやけて見えます。このばあい凹レンズで光を広げてやり網膜上に焦点が来るように調整するのですが、

過矯正のレンズを持ってくると光が広がりすぎて網膜の後ろに焦点ができてしまい、これまたぼやけるのでは・・思いきや

水晶体が膨らむことによって網膜上に焦点を持ってくるようにします。(緑の破線) ちなみに水晶体は膨らむことはできても薄くなることはできません。

つまり過矯正状態では網膜上に焦点があるのでぼやけずはっきりスッキリ見えますが水晶体はずーっと膨らみ続けないといけないのです。

水晶体が膨らみ続けている→緊張が続く→血管の収縮・・・と悪循環に陥ります。

近視の過矯正は常に眼が仕事をして遠くも近くも見ています。しかも老眼世代になると近くがより見にくくなります。ですので老眼世代の過矯正はとっても大変です。

次回に続く・・

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