難聴の人の聞こえ方を模擬的に再現してみました

難聴の方が一体どんな音で人の声を聴いているのか?

なかなか想像できませんよね。そこでちょっと実験をしました。

ICレコーダーに録音した僕の声をアプリでわざと難聴の方が聞こえるように加工して再生してみました。

ここでは「さ」を2回、「た」を2回言っていてどちらも後の方を加工しています。

再生すると音が出ます

いかがです?特に後の「た」はほぼ「あ」に聞こえませんか?

言葉にはそれぞれ決まった音の高さがあります。僕が発している「さ」とか「た」は上の図からもわかるように2000~5000ヘルツの高さです。で、いわゆる老人性難聴の方は1000ヘルツ以上の高音域の聞こえが悪くなる方がほとんど。なので先の音声の加工も実は高音域の出力を中等度難聴の方並みに落としてみた音声なんです。

実際には「さ」の子音Sと「た」のTの聞き取りが悪くなっており母音の「あ」は上の図でもわかるように7~800ヘルツと中音域なので聞き取れるのです。

難聴の方でなくても子音間違いはするときありますよね。アレです。

ついでに言うと音声の後の音は全体的にこもった感じになってますよね。これは高音域の出力を下げるとこうなるのです。こんな聞こえに慣れている人が高音域が聞こえるような補聴器をすると「キンキンする」と不快感を訴える方が時々おられるのですが、あのこもった感じの音の世界に長い間いてて急に高い音が聞こえたらそう訴えるのも無理もないように思いませんか?

なので補聴器は慣れが必要なんです。いきなり目標の大きさにするのではなく、最初のうちは聞こえは不十分ですが、まずは高音の音に慣れるところから始めます。

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