腕時計の裏ぶたの閉め方

腕時計の裏ぶたの留め方には何種類かあります。

一番多いのはスナップ式といってこじ開けるタイプ。専用のオープナーで半分コツ、半分力業で開けます。閉めるときはこれまたコツ、力半々で閉めます(^_^)

次に多いのがスクリュー式。裏ぶた自体がネジになっていて専用のオープナーでぐるぐる回して開けたり閉めたりします。

その次が今回のテーマ、ネジ式です。裏ぶたの4~6カ所に穴が空いており、そこにネジで本体と固定します。

このネジ式がやっかいなんです。腕時計の裏側はどうしても汗がたまります。夏場なんてひどいもんです。みなさん、夏場時計を外したら裏ぶた側を拭いたりしますか?しないでしょ?(^_^) なのでどうしてもネジが錆びやすいのです。

欧州は比較的乾燥しているのですが、日本の湿気はネジの大敵です。今回BUCHERER(ブヘラ)の電池交換をお預かりしたのですが、裏ぶたのネジ1カ所がどうしても開かないので職人さんにお願いしました。

きれいな、上品な時計ですね。ただ残念ながらネジが錆びていた・・・

幸い軽度の錆だったようでそれほど手間がかからずにすみました。良かった良かった・・・・では済まなかったのです。

裏ぶたネジ開閉のために職人さんに出す場合、当然時計は止まっていますが、職人さんが苦労してネジを掘り起こして再生して開けることはできましたが、クオーツ時計で電池交換をしても時計が動かない場合があります。この場合分解掃除が必要となり、その分費用が増えます。

こんな時、お客様がそこまでお金を出して修理はしない、となる場合があるのです。でも職人さんは取りあえず苦労してネジを開けてくれたのです。その費用をどうするの?となるのです。

当店でこのようなケースの場合は、事前に「裏ぶたを開けるだけで費用がかかります。開けて電池を入れても動かない場合もあり、その時は分解掃除になり更に費用がかかります。分解掃除の費用は見積もりを出しますのでそれでする、しないを決めていただいても結構ですが、仮に分解掃除をしない場合でも裏ぶたを開けた費用はご負担下さい。」とお伝えしています。

ネジは修理したけど、分解掃除はしないのでお金は払わない、では職人さんがかわいそうですものね。

今回はお客様が大切にしている時計でしたので分解掃除もしていただきました。

構造上、ネジ式が一番製造しやすいと思います。スナップ式はケースと裏ぶたの相性があるくらい微妙。スクリュー式は裏ぶたにネジを切らないといけない。その点ネジ式は裏ぶたには穴を開けるだけ、ケース本体にタップで溝を掘るだけだし、精度もそこまで要求されない。でもね、作りやすいからとはいえ、数年使用することを考えたらネジ錆びるのはわかるでしょ??と言いたい。

特にカシオさんはほぼネジ式で、かつケースが樹脂製が多い。そうなると錆でケースに詰まったネジを取り出すこともできないのです。

ホント個人的にはネジ式の裏ぶたはやめて欲しい・・・

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