補聴器を片方にだけする場合の例

補聴器は聴力の左右差が少ない場合、両耳に装用しますが、左右差が大きい場合、片方だけにする場合も多いです。

ではここで問題。

聴力に左右差がある場合、どちらの耳に補聴器をすればいいでしょう?

・・・これはとても意地悪な問題で、上の質問だけでは答えられないが正解ですが、敢えて答えるならば聞こえの良い方にする場合が多いです。

一般的に考えて悪い方にするのがいいのては?と思われるかと思いますが実は反対のパターンの方が多いです。つまり聞こえの良い方に補聴器をするのです。

分かりやすく言うと良い方の耳も補聴器が必要なレベルの悪い場合、もし悪い方に装用するならば良い方の耳以上に聞こえを良くしないと聞こえは改善されません。

分かりやすい例で説明します。

上のグラフでは聞こえる最も小さい音がどのくらいかを調べます。グラフの上にある方が聞こえの良い耳です。○が右、×が左です。つまり右の方が聞こえがいいのです。

下のグラフは言葉の聞き取りがどのくらいかを調べた結果です。上のグラフ同様○が右、×が左です。左は90dB、0%のところにひとつだけ印がありますよね。

右耳は音さえ大きければ聞き取りができますが左は音を大きくしても言葉として理解できないと言うことをこのグラフは表しています。

つまり左に補聴器をした場合、音は大きくなるので小さい音も聞こえるようにはなりますが、言葉としては全く理解できません。右に装用した場合は普通の会話レベルでの聞き取りは補聴器なしではちょっとキツい。相手の方が少し大きめの声を出して頂いて会話が成立するレベルです。こちらに補聴器を装用すると普通の会話レベルでも聞き取りが可能となります。

この方は右に補聴器を購入されました。つまり良い方の耳に補聴器を装用するのです。

ネガティブなことを言うと左側からの音は諦めていると言うことです。なので会話はできるだけ右耳で聞くようにします。歩道を歩くときもできるだけ左側通行をし、車や自転車の音を右耳で聴くようにしていただいます。

片耳装用の場合の一例です。今回は左耳の言葉の聞き取りがほぼできないので右にするしか方法がありませんでしたが、もっと微妙な場合も多くあるのでこれが絶対とは言いません。ケースバイケースです。

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