補聴器が高額な理由
- 最近聞き返すことが多くなった
- 家族からテレビの音が大きいと言われる
- 複数人の会話で取り残されることがある
- 後ろや横から声をかけられてびっくりした
- そういえば最近鳥のさえずりが聞こえないなぁ
- 電子レンジ、インターホン、体温計などの音が聞こえにくい
こんな経験はありませんか?ひとつでも当てはまれば補聴器の購入を検討してもいいと思います。
「でも、補聴器って高いんでしょ?」
はい、確かに高額です。新聞広告に載っている集音器や補聴器に比べるとびっくりですよね。当店にご来店なさっても価格に驚いて帰られる方も多いです(^_^;
当店で扱っている補聴器は1台10万円からになります。両耳だと20万円になります。両耳で100万円を超えるものまであります。
でも高額である理由がちゃんとあります。当店の補聴器のお客様で、いや、それ以外でも新聞広告で買った安い補聴器は使えなかった、と言う方がどれだけ多いか!もちろん絶対にダメとは言いませんが、そのほとんどの人が一度は購入しても使わず、ちゃんとした補聴器を改めて購入される方が多いです。
ではなぜ高額なのでしょう?
- 第一にそれは補聴器はとても慣れにくい道具だからです。難聴だと音の信号が脳まで伝わっていません。その信号を伝えるのが聴覚神経です。聴覚神経は使わないと衰えます。入院して寝たきりで1週間過ごしただけで歩くのがおぼつかない場合がありますよね。これは脚の筋肉を使わないために衰えたのが原因です。それと同じ事が聴覚神経にも起こっています。そこに補聴器をしていきなり大きい音を聞かせるとその神経がびっくりしてしまい、受け付けてくれないのです。
- また人の耳はとても賢くて聞きたくない音は聞こえないようにします。ここの地元の人だとおわかりだと思いますが、ここは伊丹空港に着陸する飛行機が頻繁に通るルートです。結構低い位置で飛んでいます。でも長年ここに住んでいるとその音が気にならなくなります。逆に地方から来た人はその音にびっくりされています。つまり聞きたくない音は聞いていないのです。でも補聴器はいくら性能が良くてもそこまで区別してくれません。すべての音を大きくします。そうなると・・・
- いわゆる老人性難聴の方は高い音ほど聞こえなくなる傾向があります。音の高さは周波数で表され単位はHz(ヘルツ)です。一般的に老人性難聴の方は4000Hz、8000Hzあたりが急に悪くなります。実はこの周波数周辺には日本語の子音が多く含まれています。例えば「ふ」はローマ字表記でHUです。このHが子音でUが母音になります。「ふ」と「す」はそれぞれHUとSUになり、「う」は分かるのですが、ハ行なのかサ行なのかが分かりにくくなります。同じように「さ」と「た」、「し」と「ひ」などなど。これらの子音が4000Hz周辺の音域になり、聞き取りにくくなります。ここで補聴器によってその周波数帯の音を大きくすると・・・・なんと食器の重なる「カチャカチャ」という音、水の流れる音、などが同じ音域になりとても煩わしくなってしまうのです!
- それ以外にも自分の足音、そしゃく音、自分の声、ドアの閉まる音、車のエンジン音などなど・・・聞きたいのは人の声ですが、こういった環境音も同時に大きくなってしまいます。
高額な補聴器はこれらをできる限り煩わしくないように設計、処理されているのです。しかもそれを瞬時に処理しています。補聴器に入ってきた音が1秒後に処理されて出てきてもそれは全く使えませんよね(^^ ) なのでほぼタイムラグなしにやってのけているのです。どうです?すごいと思いませんか?高額な理由がちょっとはお分かりいただけましたか?
もちろんいくら高額な補聴器でも人の耳にはかないません。ですのでたとえ高額品でも慣れが必要になりますがその慣れやすさが格段に違うのです。ある耳鼻科医は例えば大きくしたい音の目標を100%とするならまずは70%くらいの大きさからスタートして徐々に慣らせましょうと推奨していますが、良い補聴器になればなるほどそれが80%や90%くらいからスタートしても大丈夫な人が続出します。たった10~20%と思われますが、その音の大きさは全くと言っていいほど違います。でも大丈夫なんです。それほど違います。
基本補聴器は購入後、一旦そのまま持ち帰り、自宅で初めて試すのが通常です。ですが高額な補聴器を買われた方ほど、もうそのまま装用して帰ろうとされる方がいます。それほど違和感がないのです。この場合両耳で50万円以上します。
誤解の無いように書きますが、決して高い補聴器を売ろうとしているわけではありませんよ。当店の場合大体一般的に両耳で20万円台から30万円台の補聴器を購入される方がほとんどです。それら補聴器も慣れさえすれば使えるようになります。ただ、価格は価格なんです。無駄に高いわけではないことをお伝えしたかっただけです。
補聴器は試聴ができます。まずは1~2週間試聴していただき、これなら使えそうだと思われてから購入する、しないを決めていただいて結構です。補聴器は高額です。失敗したくありませんよね。私は当店で買って頂いた方全員が常時補聴器が装用できるようになることをめざしています。