近視は治さなければならない?

少し前になりますが、NHKのクローズアップ現代で近視がテーマに上がりました。

要約すると

①近視の人が増えている。成人すると近視は止まるか緩くなるのが普通ですがさらに進む人が増えている。
②強度近視は合併症を起こしやすく危険。網膜剥離、認知症など
③近視を点眼薬で抑えることが実証されつつあるまた日光に1日2時間以上当たると近視が抑制されたと実証された。
④先進国で国単位で近視対策をしていないのは韓国と日本だけ。

とまあこんなことが放送されていました。

クローズアップ現代+

興味深かったのが日光に当たれば近視が抑制されることでした。オーストラリア(だったと思います)では学校での昼食は外で食べないといけないそうです。台湾では体育の授業を増やしたり、理科の授業を課外授業にしたりととにかく児童を外に出す工夫をした結果、近視の抑制に効果があったそうです。ただしこれは成人ではあまり効果がないそうです。

ところでこの番組の大前提が「近視」=「悪」です。

確かに強度近視(通常6D以上の方をそう呼びますが番組では10D~20Dという方々を多く取り上げていました)で成人後失明の危険があるほどの近視が進んだ方にとって近視はどうにもならないやっかいな眼疾患です。
でもいわゆる普通の近視、2~5D位の近視の方にとって本当に「近視」=「悪」でしょうか?近視になると普段はメガネやコンタクトレンズをつけなければならないし、やっかいです。メガネなしで遠くが見えたらどれだけ楽か。そう思われる人もおられるでしょう。
でもご存じでしょうか?近視の人はメガネをかけなくても近くは見えるのです。遠くがぼやけるだけです。これは45才を過ぎると誰でもやってくるアノいやな老眼世代になっても同じように近くはメガネなしで見えるのです。

現代社会において近くを見ずに過ごすことはできません。本、書類、パソコン、スマホ、タブレット・・・近くを見ることを止めることはできないのです。
人類が近くを見るようになったのは紙が発明された西暦0年頃からです。つまり人類が近くを見なければならないようになってからたかが2000年なんです。

人類が誕生して200万年、現代人と同じ人類が誕生したのが20万年前。それから比べると2000年なんてホンの一瞬です。それまでは狩りや農耕をしたりして遠くを見ることが主体だったのがこのわずか2000年で視空間の範囲が劇的に変化したのです。

そう考えると近視の人はたとえ老眼になっても近くが見えるので、より現代の生活に適応していると考えられませんか?寝ながら本を読むなんて近視の人にとっては普通にできることなんです(笑)

メガネ女子

そこで私が思うには先ほど日光に当たると近視の進行が抑制される話ですが、これは紙が発明される以前の生活スタイルに似ています。あっ、決して1次産業に従事されている方を悪く言っているわけではありませんよ。そういった方はやはり遠くが見えないと仕事になりませんから、それはいいんです。逆に日に当たらない、室内にいるのは現代社会というか近くを見る機会が多い方々。そんな方にとっては近視の方が生活が楽ではないでしょうか?そう考えると一概に「近視」=「悪」とは言えないような気がします。

重ねて言いますが、強度近視で合併症の恐れがある方にとっては近視は何とかしたい眼疾患です。ここではあくまで弱~中程度の近視の方を前提に書いています。

確かにメガネは煩わしいかもしれません。でも慣れてしまえばどうってこともないし、私自身特に不便を感じたことはありません。

皆さんは、どうお考えですか?

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