耳穴充電式補聴器

今回は片耳だけの補聴器です。

補聴器は左右の聴力が同等の場合両耳装用が原則です。原則は言い過ぎ?お勧めです。今回の方は右耳だけですが左耳は補聴器がいらない程度の聞こえがあるので片耳です。

このブログを書く直前にこのグレードの耳かけ式を販売した女性が調整に来られました。この方、中等度難聴で初めての補聴器で納品して2週間経った1回目の調整でした。お聞きすると朝から晩まで装用している。食器が重なる音、水の音がうるさい。冷蔵庫のモーター音、掛け時計の秒針が進む音など今まで聞こえていなかった音が聞こえるなどいろいろご不満もおっしゃっていますが、それでも朝から晩まで装用できています。

普通、と言いますか以前なら補聴器を外す方がほとんどなのですが、このクラスの補聴器になると外すほどでもないのですね。すばらしい!

今回の方も聴力がちょっと一般的ではないので調整は難しくなりそうです。

そうそう、この方が補聴器を選ぶ際に周囲の人から聞いたこととして

補聴器は高いからはじめから高いのにせず安いのから始めた方がいいらしいよ。

これ、誰が言ったんですか?この言葉、100%違うとは言いませんが、かなり条件があります。まずは軽度難聴であること。軽度難聴の方が補聴器を買いに来られることはまあ非常に少ないです。珍しいくらい。相談に来られる方のほとんどが中等度難聴です。

補聴器が出る音が大きければ大きいほど違和感が出ます。

安い補聴器に比べ高い補聴器はそういった違和感をいかに少なくするかに注力されて作られています。先に書いた女性の方もそうです。なんだかんだと言いながら購入してすぐにずっと装用していられるのです。

ですので安い補聴器でも出力が弱くていい場合は慣れやすいかもしれませんが、そうでない場合はなかなか慣れるのは努力が必要になります。

全くダメとは言いません。まずは聞こえるようにする前に慣れるために補聴器を装用していただきます。本来の目的出力に対して7割くらいからスタートです。まずはここから始め1~3ヶ月かけて徐々に出力を上げていって最終的に目的の出力まで上げるようにします。ただし最初の7割の出力では補聴器をしたからと言って、言葉が聞こえるようにはなりません。こういう具合にけっこう手間がかかります。

また、大人数の会話は補聴器は苦手ですが、最新式のはそれがずいぶん克服されています。

安い補聴器をして、使えなくて、補聴器ってこんなもんなんや、と思われるのはとても心外です。

実は僕の父もそうでした。最初なんで安いのでいいわ、と言って一番求めやすいのを購入し、僕に調整を依頼してくるのですが、なかなか満足せず、結局使いこなせませんでした。当時僕の技術が未熟だったのも要因かもしれませんが、そういう補聴器はできることが限られてくるのも事実です。

少し前になりますが、当店で補聴器を購入されたAさま。知人から補聴器なんか使い物になれへんわ。と言い放たれたそうです。それにちょっと気を悪くされたAさま、よーし、何が何でも補聴器に慣れてやる!と意気込んだそうです(^_^)

ご予算もまああったのでそれなりの補聴器を購入していただきました。そうしたら購入直後からほぼ100%の出力で装用でき、そんなに意気込まなくてもほぼ自然に補聴器をする生活になりました。Aさまの知人にそのことを言ったらふーん、良かったやん、とひと言悔しそうに言っていたそうです。

それくらい性能の差があるのです。なので安い補聴器を試してダメだから補聴器全てがダメなんて思わないで下さいね。

最初に書こうとしていたことと全く別のものになってしまいました・・・

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