両眼は開いているのに片眼でしか見ていない?
人はふたつの目でひとつのものを見ています。これ、当然のことだと思われるかもしれませんが、すごいことなんです。
今回の方はご近所ではありますが、電話でご予約いただいた新規の60代女性のお客様です。
強度近視ですのでメガネは中学生の時からかけていますが、最近どうもしっくりこないそうで、メガネ屋を探したら近所に相談できそうな当店を見つけたのでご予約いただきました。
この方、いろいろ測定した結果、両眼でひとつのものを見るのがとても苦手な眼でした。つまり、通常左右の眼が別々のものを見ているのです。
その情報が脳に送られるとどうなるか?頭の中でふたつの画像が写ってしまうので混乱してしまいます。そこで脳は勝手に片方の画像をシャットアウトし、ひとつだけの画像が見えているようにします。
この現象を抑制といいます。
抑制は一時的になるものや、ずっと続く場合などいろいろありますが、この方の場合、遠方を見ている限りほぼ抑制されたままでした。
通常抑制を持っている眼の方は違和感を訴えることはほぼありません。ウチの息子もそうです。息子の場合は抑制になったりならなかったりと継続性がないので違和感がないのかもしれませんが、この方の場合はほぼ片眼だけなので違和感を覚えたのかもしれません。
ぼくは医者ではないので、診断などできるはずもありませんが、色んな視力測定をした結果からその症状は確認できました。
ただ、近くを見るときはきちんと両眼で見ているので、問題は遠方視だけです。
とはいうものの、抑制を抑制する?事はできません。ですので抑制がかかっている眼の度数を弱めにして刺激を少なくする対処方法しかないように思われます。
Putri(プトゥリ)。とてもかわいいメガネでお似合いでした。まだ、お渡ししていませんが、取りあえずこれで様子を見ていただくことにしましょう。
メガネでは抜本的解決策がなかなかない場合が多いのですが、自分の眼がどういう症状なのか、どういう理由で違和感があるのか、それらが分かっただけでも人って何となく落ち着くんですよね。