補聴器の装用効果の判断方法
補聴器をすれば聞こえは良くなります。ではいったいどのくらい良くなっているのでしょう??
これを客観的に測定する方法はいくつかありますが、もっともポピュラーなのを今日はご紹介します。
このグラフはその人が聞こえる最も小さい音がどのくらいかを調べる測定に使います。
人間ドックなどでもする測定です。ヘッドフォンをして音が聞こえたらボタンを押す。アレです。
今回は補聴器をしているのでヘッドフォンをすることができないのでスピーカーから出る音で調べます。
グラフの見方は
横軸が音の高さ。左ほど低く、右に行くほど高くなります。
縦軸は音の大きさ。下に行くほど大きくなります。
×が補聴器をしていない裸耳。×は補聴器をした状態です。たとえば1000Hzの高さの音は裸耳では60dBでボタンを押し、補聴器を装用したら25dBでボタンを押していることになります。
当然ながら補聴器をした方が各周波数で改善はされています。矢印で示した分だけ補聴器が音を大きくしてくれているわけです。
人の声を判別するのに重要な周波数は500~4000Hzです。ここがどのくらい改善されているかでその効果を判断し、必要ならば修正します。今回の場合は4000Hzの音がちょっと・・・と思われると思いますが、ここはなかなか難しい。ハウリングや高音の雑音(食器の重なる音、水が流れる音)などもこの周波数あたりなのでそれらの音も大きくなっちゃいます。
最近の補聴器はそれでも人の声だけを大きくするようにしてくれるので、以前に比べればこの周波数の音を大きくしても違和感が少なくなっています。
今回もこの結果を踏まえてもう少し4000Hzの音が大きくなるように調整しました。
という風に、感覚ではなく客観的に判断できる判定方法です。他にも方法がありますが、それはまた別の機会に。